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コロナに苦しむひとり親のための政策提言(2)

▼2020年6月28日(日)、シングルマザーサポート団体全国協議会 
1周年記念報告会「コロナ禍におけるひとり親支援」INDEX

緊急小口資金の運用について・学校給食の準要保護家庭への支援が実現

しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西/山口絹子さん

メールや電話で相談を受ける中で、仕事を辞めたので経済的に困ってしまいお金を貸してくれるところを紹介してほしいと言う声などがありました。

お住まいの自治体でどういうサポートを受けていらっしゃるかと言う事をお聞きして、緊急小口貸付資金についてお伝えをしました。

「社会福祉協議会や郵便局の窓口、労金の窓口で手続きをします」とお伝えしたら、「社会福祉協議会って何?、どこにあるの?」と言う話もあったので、同行支援をしたり電話で社会福祉協議会とのやりとりをサポートしたりしました。

生活保護は最後のセーフティーネットと言われていて、緊急小口貸付資金と言うのは最後から2番目のセーフティーネットと言われてるんですけれど、自治体間で貸すときの手続きの格差があるというのが、よく分かりました。

厚生労働省は通達で、本当にお困りの方にきちんと貸すために、手続きの煩わしさを負担に感じさせないように、例えば、返還時に、非課税世帯の場合は償還免除をするように言われているんですが、そういったことをきっちりと手続きの書類に記述されてないところもありました。

もうひとつは、学校給食の準養護家庭の支援について。

休校で給食がなくなってしまい、家庭での食費がかかるようになり、文部科学省では、生活保護家庭には支援をするように通達を出しているのですが、準養保護家庭にも給食費の補助を出すように、各市取り組んでいらっしゃいます。

兵庫県西宮市では、議員さんが動いてくださってそれが実現しました。

国に対しひとり親世帯臨時特別給付金の創設を働きかける

しんぐるまざあず・ふぉーらむ/赤石千衣子さん

しんぐるまざあず・ふぉーらむでは、4月5月、思ってもみないほど、困窮する世帯からの相談がとても多かったんですね。さきほどお話したように、1日1食にしているなど日常的にも困窮している方が、食費を減らす以外の手立てをもっていないわけです。

しかも預貯金も少ないということで、もうどうしようもなくて、こうした支援団体が食料支援をしていることを知ると、みなさん、「助けて!」と言ってくるので、私達は動かざるを得ない状況が進んでおりました。

私どものところにも、たくさんの「助けて!」のご相談が殺到したわけですが、これはひとり親に特化した支援がなにかないといけない。
3月から要望していたんですが、ひとり親に特化した支援をなんとかして創設したいということで、5月の初めから動きはじめました。

「もう食べるものがありません」「ひもじいです」「子どもが空腹を水を飲んでしのいでいます」という方には、緊急のお米をお送りするんですが、それとともに公的な支援を届けることを頑張ったわけです。

国会議員のみなさんは、当初「本当にそんなにひどいのか」とわかっておられなかったと思います。

私どもが「1日1食の訴えがあるんです」「2日に一度しか食べてないお母さんがいるんです」というと、議員のみなさんは「なぜ、緊急小口資金が届いていないのか」と聞かれるわけです。

でもさきほど山口さんが話していただいたように、「緊急小口資金が借りにくかったり、書類が中央と違っていたり、いろいろな齟齬があって、借りられてないんですよ」とお伝えして、与党・野党に実態をお届けしました。そうすると徐々にわかっていただけました。

5月19日に緊急で記者会見を行い、低所得のひとり親世帯が大変な状況であるということ、児童扶養手当を半年間、月4万円増額することなどを訴えさせていただきました。

与党も野党も最終的には、ひとり親には追加的な支援が必要だということで努力していただき、「ひとり親臨時特別給付金」が出ることに決まったわけです。本当にありがたく思っております。

低所得のひとり親世帯への臨時特別給付金の画期的なところは、児童扶養手当受給者だけでなく、遺族年金、障害年金などの年金受給者にも平等に給付をしますということです。

児童扶養手当は、前々年度所得で出していますので、今の状況に対応できないわけですが、そこにも対応していただけるということで、追加給付として家計が急変した方にあと5万円だしていただけるということです。

給付額は、
・基本給付が1世帯5万円、第2子以降1人につき3万円
・追加給付が、1世帯5万円

ということでつくっていただきました。

これで十分だとはいえないのですが、ひとり親に対するひじょうに大きな希望になっています。

ここまで至るのにご協力いただいた皆様に感謝します。

今後も必要なこと、別居中の方がもれてしまうといったことがございますので、そういった声を届ける責務がある、そのためにシングルマザーサポート団体の取り組みがひとり親の声を取り上げて、政府に届けるという回路ができているかな、と思っております。

ありがとうございます。