家計の困りごと

暮らしの困難を、あきらめない社会へ

ライフステージごとに変化する家計の課題に対し、ひとり親家庭の方々はどのように向き合っているのでしょう。

NPO法人ひとり親家庭サポート団体全国協議会は、昨年「家計の困りごと」体験談を募集、当事者の皆様から寄せられた切実な体験談を、本サイトにまとめました。

いただいたお声は、プライバシーに配慮した形で公開し、今後のセミナーや政策提言に直接活かしてまいります。

ひとり親家庭がより安心して暮らせる社会への一歩を共に踏み出しましょう。

ひとり親家庭の方々の声




離婚前の別居期に生活費がなく困った

12.0%

別居した際、それまで専業主婦に近い状態だったため、家賃・生活費・仕事探し・子どものケア・大学進学の準備など、さまざまな負担が一気に押し寄せた。しかし、すぐに調停を始めることもできず、弁護士からは「ある程度別居し、子どもを養育しているという事実の期間が必要」と言われ、婚姻費が実際に支払われるまでに大きなタイムラグが生じた。その間は、わずかな貯金を崩して生活するしかなかった。
離婚前から児童手当の振込先を自分側に変更するため、精神的DVであることを警察に説明し、その証明を役所に認めてもらう必要があった。辛い状況の中で、警察・学校・役所を回って説明し続けること自体が大きな負担だった。また、長年の精神的疲弊により人間関係に不安を抱くようになり、社会復帰には相当なエネルギーを要した。
精神的DVに対する社会の理解はまだ十分ではなく、身体的暴力より軽く見られがちで、緊急性がないと判断されてしまうことに深く苦しんだ。私自身、離婚成立前の別居期間が最も不安定で、経済的にも精神的にも追い詰められていたため、紙の上の基準だけでなく、児童手当や児童扶養手当をもっと柔軟に対応してもらいたかったと強く感じている。
さらに、養育費については税金のように徴収できる仕組みにし、支払いを逃れることができない制度にしてほしい。
元夫から子どもと私へのパワハラが続き、短期間で別居を決意し、逃げるように母子で家を出ました。別居前から家計は借金だらけで火の車の状態で、わずかな貯蓄を元手に新生活を始めました。最低限の家電をそろえるために兄弟に借金をし、離婚が成立するまでは私の給料だけでやりくりしていました。夏の暑い時期でしたが、なるべくクーラーを使わず、保冷剤で冷やすなどして節約し、子どもたちには大変な思いをさせてしまったと思います。 後になって気持ちに少し余裕ができた頃、離婚成立前でも受けられる支援があることを知りました。もっと早く、ひとり親が利用できる支援について分かりやすく、すぐに情報にアクセスできていたら、少しは楽に過ごせたのではないかと感じています。 また、このような相談は内容的に話しづらいことも多いため、オンラインで気軽に相談できたり、支援情報を見つけやすい仕組みがあるととても助かります。ひとり親支援について、市町村レベルでも簡単に知ることができるコミュニティが整備されることを望んでいます。
元夫が突然帰ってこなくなり、生活費や家のローンなど、すべてを私ひとりで支払わなければならなくなった。私も働いてはいたが、子どもに障害があり長時間働くことができずパート勤務だったため、最初は貯金を切り崩してしのいでいた。しかしそれも底をつき、最終的には実家に借金をして生活をつないだ。毎日お金のことで頭がいっぱいで、朝から晩まで「どうやって生きていけばいいのか」と悩み続けていた。 どのような状況になれば援助を受けられるのか、その基準をもっと明確にしてほしい。相談しても断られるのではないかという不安が大きく、支援を求めること自体が怖かった。
夫からのDV被害がひどく調停で離婚申し立てしていたが、実家も知られているため帰る訳にはいかず、母子2人で遠方のアパートを借りて住んでいて賃貸料など(こどもも1歳だったためオムツなども必要だったし、熱出したり大変だった)生活費が大変だったのと、慣れない環境で心身共に不安定。夫の扶養に入っていたため、健康保険を使うと場所が特定されてしまうかと不安と恐怖で母子ともに病気や怪我をしても病院受診もできなかった事。相談できる人もいなかったので本当に苦しかった。
離婚前から相手が生活費を入れてくれず、独身時代に貯めた貯金を崩して生活費に回しながら、週2日のパートでなんとか暮らしていました。貯金もできず、日々の生活を維持するだけで精一杯の状態でした。そんな中で離婚となり、手元にはほとんどお金がありませんでしたが、どうしても早く離れたかったため、引っ越し代とアパートの初期費用は親に借りました。 急な離婚だったため、子どもたちの転校手続きを2日間で済ませなければならず、本当に大変でした。学校で必要な体操服や帽子などの購入費も親から借りるしかありませんでした。当時は相談先が分からず、周囲にもひとり親家庭がいなかったため、すべて自分で調べながら進めることが大きな負担でした。 手続きを優先して動いていたため就職活動まで手が回らず、離婚後3か月ほど経ってからようやく動き始めましたが、その間の生活費も親に借りていました。また、面接では「ひとり親」であることを理由に断られた経験もあり、ひとり親に対するイメージの悪さを痛感しました。そこから数年たち、何とか生活できるようになりましたがまだまだ厳しい状況が続いています。 就業支援の充実や、相談先にアクセスしやすい仕組みを整えてほしいと強く感じています
家を出た当時はパートを始めたばかりで、お金もなく本当に困っていた。引っ越し費用はクレジット払いで先延ばしにし、その間にパートの仕事を必死に増やして、なんとかその日暮らしで生活をつないだ。借金もできず、借りられたとしても返せない状況だった。 食費は大幅に削り、お菓子も買ってあげられず、子どもには騙し騙し食事をさせていた。自分も昼に少し食べるだけで耐える日々で、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。頼れる場所もなく、今も生活の基盤となる「家」の確保が一番の課題だと感じている。 アパートでは兄弟げんかの音が大きく、児相に通報され虐待を疑われたこともあり、精神的に大きなダメージを受けた。面接では「兄弟にもプライベート空間が必要だから部屋を与えるべき」と言われたが、家を買う余裕もなく、部屋数の多いアパートは家賃が高くて借りられない。結局、子どもに「静かにしなさい」と怒る悪循環になってしまう。 生活の土台となる住まいに対して、住宅手当のような支援があれば本当に助かる。安心して暮らせる住まいを確保できる制度を望んでいる。

出産前後にお金がなく困った

5.3%

出産費用がギリギリで、出産後は貯蓄とカード払いでなんとか生活していた。固定資産税などの税金も払えず、結婚前の貴金属を売ってわずかな足しにしながら、どうにか支払っていた状況だった。あれから18年が経つが、旅行などに連れて行く余裕は一度もなく、子どもの経験が他の子どもたちに比べてあまりにも少なかったのではないかと、今も後悔が残っている。

手当の支給と金額が前年または前々年所得により決まるため、
1年以上手当がもらえず困った

8.3%

子どもとの時間を削って資格を取り、正社員として働いています。しかしその結果、収入がギリギリのラインを超えてしまい、手当が受けられなくなりました。両親と同居していますが、両親も病気や身体の不調があり、医療費などさまざまな出費が重なっています。 そんな中での物価高騰は本当に厳しく、子どもは成長とともに食べる量も増え、家計への負担は大きくなる一方です。ネットで調べて食料支援などを利用していますが、「親と同居だと対象外」という制度も多く、複雑な気持ちになります。時々、子どもとの時間を減らしてまで働く選択が本当に正しかったのかと考えてしまうこともあります。 それでも、私よりもっと大変な方がいると思いながら、なんとか踏ん張っています。
未婚で出産することになり、妊娠前の前年度所得(上場企業勤務時の所得)が基準となったため、実際には収入がゼロで働けない状況にもかかわらず、さまざまな支援が受けられず非常に苦しかった。未婚で生むために仕事を辞めて親元に戻ったが、助産制度も使えず、産前のため公営住宅にも申し込めず、児童扶養手当もカットされ、出産や育児にかかる費用が重くのしかかった。産後すぐには子の父親を相手に婚約不履行・認知請求・養育費請求の裁判を起こす必要があり、心身ともに大きな負担だった。頼れるのは親や当時まだ生きていた祖母からの援助、そして借金だけで、前年度所得を基準に支援が打ち切られる制度では急な状況変化に対応できないと痛感した。親族に借りられたから何とか乗り越えられたものの返済は重く、もし借り先がなければ、産後の不安定な時期に正しい判断ができず、追い詰められてしまう人も少なくないと思う。実際に、このまま生きているのが辛いと感じた瞬間もあり、幼い子を前にしながらも追い詰められていく感覚に苦しんだ。
児童扶養手当が受給できず、所得が特別高いわけでもないため、日々やりくりしながら生活している。とくに食費の負担が大きく、幸い実家が近く援助を受けられているものの、支援がなければ厳しい状況である。児童扶養手当の所得制限について、現状に合った見直しをぜひ検討してほしい。
昨年離婚し他県へ転居しました。発達障害のある子ども2人の受診や学校対応、面談などに多くの時間が必要で、生活費を稼ぎながら時間に融通の利く仕事を見つけるのが難しく、正社員になれないまま1年が過ぎました。非課税世帯ではなく児童扶養手当も一部支給で、市役所からは「生活保護と収入は変わらない」と言われ、働いているのに生活保護と同水準の生活に落ち込みました。 子どもは重度障害でも健常でもない中間にあり、理解が得られにくいことも悩みです。市役所では「使える制度はない」と言われ、支援団体も紹介されませんでした。社協の家計相談も制度理解が不十分で、結局「自分で問い合わせて」と丸投げされ、何の解決にもつながりませんでした。 児童扶養手当が前々年所得で判定される仕組みも現状に合っていないと感じます。来年度ようやく非課税世帯となり満額支給の見込みですが、「今」の生活を見てほしいです。働いても生活保護と同水準で、必要な支援につながれない現状を改善するため、市役所・社協・NPOがもっと連携してほしいです。
コロナ禍で派遣切りに遭い、就職先がまったく見つからず、下の子どももコロナの影響で精神的に不安定になり学校に行けなくなるなど、本当に大変な時期でした。政府の給付金や失業手当でなんとか生活をつないだものの、あの頃が一番精神的に追い詰められていたと思います。 物価高の中で賃金アップはありがたい反面、非課税枠の所得が上がらないため、少し収入が増えるだけで手当が減ったりなくなったりし、結果的に生活がマイナスになることがあります。これでは何のために働いているのか分からなくなってしまいます。所得制限の金額を現状に合わせて引き上げてほしいと強く感じています。
子どもが3年ほど前から不登校になりました。 学校からの呼び出しなど様々な状況から心理的負担が重なり、思い切って個人事業主になりました。 しかし、個人事業主の収入にはばらつきがあり、手当が支給されない月と重なると、つみたてNISAを崩して対応せざるをえないことがあります。 また、生活のため仕事を優先させるあまり家事が疎かになることは日常です。家の中が荒れるのもストレスなので家事代行サービスを利用することがありますが、負担は大きいです。家事代行サービスの利用に助成が出れば、家計の負担が大きく減りとても助かります。
前年度の収入が上限を超えていたため、転職して収入が減ったにもかかわらず手当が受けられず、結果として借金を抱えることになった。離婚前からの借金も残っていたため返済は大変で、生活は常に苦しかった。収入の結果が分かるのは翌年だが、支援の判断が収入だけで行われると、転職による減給や負債の増加など、実際の家計状況が反映されず、固定費が重くのしかかる家庭が苦しむことを知ってほしい。不正防止のために収入のみで判断せざるをえないことは理解しているが、それでも現状とのズレに強いもどかしさを感じている。
夫が帰宅拒否を続け、数か月会えないまま離婚調停を起こされました。夫は弁護士をつけていましたが、私はすでに育児ノイローゼの状態で、何週間も食事がとれず、一人で裁判所に行くこともできませんでした。裁判所の前まで母に付き添ってもらい、時には弁護士にも同行してもらいました。今思えば弁護士は必要なかったのかもしれませんが、当時は知識もなく判断もできず、無職のままシングルマザーになり、弁護士費用として100万円を支払い、障害のある子どもを育てながら本当に苦しい状況でした。 行政の対応も冷たく、相談に行った際には役所の児童発達系の職員から「反省しなさい」「離婚したことを子どもに申し訳なく思え」などと罵倒され、死にたいと思うほど追い詰められました。 働くとすぐに児童扶養手当が減額され、資格をたくさん持っていても、満額を受け取るためにアルバイトの日数をわざと減らしている人が多い現状があります。将来的に生活保護に頼らざるを得ない状況を考えると、児童扶養手当の収入上限をもっと引き上げてほしいと強く感じています。

小中学校入学時に困った

12.0%

子どもが1歳のときに離婚して以来、ずっと一人で育ててきた。しかし、町役場の対応が不親切で、就学支援を受けられることを知らなかった。案内には「生活保護世帯、またはそれに準ずる世帯が対象」としか書かれておらず、児童扶養手当を受給している家庭がその“準ずる世帯”に含まれることを教えてもらえなかった。そのため、入学時のお祝い金も受け取れず、1〜4年生の間は就学支援を受けないまま過ごしてしまった。入学時は揃えるものが多く、本当に大変だった。 知り合いの市役所では、離婚届を出した際に窓口で受けられる支援をすべて説明してくれたと聞き、私はその知り合いから話を聞いて初めて申請すれば支援を受けられることを知った。住んでいる地域や役所によって、受けられる支援の案内に差があるのは良くないと思う。私の地域では、自分で調べない限り何も教えてもらえず、支援にたどり着くまでがとても大変だった。 全国どこに住んでいても、平等に支援が受けられるようにしてほしい。窓口の職員や役所の対応によって、必要な支援が分かりにくくなってしまう現状はとても残念だ。
学校から突然届く集金や出費のお知らせが本当に怖い。うちの子はプリントを出すのが遅く、気づくのはいつも支払期限ギリギリで、「明日〇〇円いる」と前日に言われることもあり、お金がなくて焦ることが多い。授業で使う材料費、検定代、クラスTシャツ代など、一つひとつは大きな金額ではなくても、積み重なると負担は大きく、急に言われると本当に困ってしまう。
払いたくないわけではなく、ただ生活がギリギリの中で、心の準備も家計の準備もできていないタイミングで通知が来ることがつらい。親から借りたり、別の支払いを滞納したり、カードキャッシングをしたこともある。なんとか払おうと頑張っているが、「またか…どうしよう」と毎回苦しんでいる。
学校で必要な費用は、できればすべて込み込みにしてほしい。または、年間でどれくらいの費用がかかるのか事前に分かる仕組みがほしい。さらに、急な支払いが発生したときに児童扶養手当を前借りできる制度があれば、どれほど助かるかと思う。

あなた自身または子どもが病気になり
お金がなくて困った

8.3%

私自身が乳がんを患い、入院・手術・治療を受けました。離婚したばかりで、当時子どもはまだ2歳。もし自分が死んでしまったら、子どもを父親も母親もいない存在にしてしまう――その不安を抱えながら、必死に治療を続け、働き続けてきました。子どもとの生活を守るために、とにかく必死で、大変だった記憶しかありません。 離婚後、子どもの父親は所在不明となり、養育費の支払いも一切ありません。親として最低限の責任を果たさせることができる仕組みを整えてほしいと強く願っています。
交通事故で5か月間仕事を休むことになり、収入が足りず生活費のクレジットカードが払えなくなってしまい、リボ払いにするしかありませんでした。お金がないため、家にあったギフトカードを金券ショップで売って現金に換えるなど、できることを必死にやっていました。 初めて社協に相談し、フードバンクの1回限りの食料支援を申し込みました。その際、社協からレトルトカレーなどもいただき、本当に助かりました。お金がなかったので、ほとんど家から出られない日々が続いていました。

仕事がなくお金がなくて困った

8.3%

私は現在で60代、5年ほど前から子どもと二人で生活しています。以前は夜中にドラッグストアへの配送の仕事をしており、当時5歳の我が子と過ごす時間がほとんどありませんでした。私が不在の間に、母親からの暴力で子どもが障害を負い、母親は逮捕されました。その後、私が親権を取り、仕事を変えざるをえなくなりましたが、年齢の問題もありすぐには仕事が見つからず、ようやく決まった仕事も収入は以前の半分ほどになりました。両親はすでに他界しており、子どもと二人でつつましく暮らしています。
子どもは成長期のため栄養を考えて食事を用意していますが、その分私は毎日我慢を重ねています。賃貸住宅に住んでいることもあり、経済的には常に厳しい状況です。自治体には何度も相談しましたが改善はなく、「少ない年金を前倒しで受け取ってください」と言われただけでした。ランドセルや体操服もメルカリで購入し、なんとかやりくりしています。
自治体は母子家庭にはさまざまな補助がある一方で、父子家庭にはほとんど支援がないように感じます。私はすでに高齢で、現役として十分に働ける年齢ではありません。私のように高齢で小学生を育てている家庭に対して、何らかの金銭的な支援が行われることを強く望みます。

子どもが18歳の年度末より大きくなり
手当がなくなりお金がなくて困った

4.7%

18歳の年度末で支給がなくなります。 でも、途中で通信学校へ転入して、まだ卒業はできません。 高校生なのに、まだお金がかかるのにみんな平等に18歳で終わってしまうのは、本当に生活に困ります。 今は、通信学校へ転入する子どもが増えました。 こんなに選べる選択肢があるのに、何故そこは考慮してくれないのか? 高校へ行ってる証明書を提出するなどをして、その家庭には高校卒業するまででも支給の対象にしてほしいです。 18歳で高校を卒業するという決めつけは今後の事を考えると考慮しなければいけないと思います。 管理するのを大変かもしれません。 でも、18歳で卒業できない子供に対して調査をして、卒業するまでの延長を認める制度を作って欲しいです。 卒業見込みは、その子その子で違うと思います。 今まで支給していた人を対象にして、オンライン受付にして確認ができるようになるれば、申請もしやすく管理もしやすくなると思います。 手当支給の延長制度を作ってほしいです。
3月に子どもが高校を卒業し、手当の支給がなくなりました。その直後に私ががんと診断され、手術をすすめられましたが、手術と2週間の入院で約25万円が必要と言われ、費用面から躊躇しました。それでも息子をひとり残すわけにはいかないと思い、治療を受けました。続く放射線治療も1回につき約8万円かかり、コツコツ貯めてきた貯金を使わざるをえませんでした。 高校卒業と同時に手当がなくなり、そこへ医療費の負担が重なるのは本当に厳しい状況です。子どもが働けるようになるまで、医療費が無料になる制度があればどれほど助かるかと思います。なぜ支援が18歳までで終わってしまうのか疑問です。

児童扶養手当が2か月に1回の支給なので、
次の支給日の直前にお金がなくて困った

8.7%

給料が少ないため、児童手当や児童扶養手当を生活の支えにしているが、支払いにすべて消えてしまい、翌月の支払いを滞納してしまうことがある。さらにその翌月には、児童扶養手当で入ったお金を滞納分の支払いに充てるため、食費や日用品を最大限切り詰めて生活するという状況を繰り返している。

現在物価が高く必要な食料が買えない

19.3%

最近の物価高で、本当に生活が大変です。中学3年の食べ盛りの子どもと2人暮らしですが、お米の値段だけでも倍になり、安いお米を探してネットで購入する日々です。食べたいものも高くて我慢ばかりで、安い食材しか買えず、ほぼ同じようなメニューが続いています。食べたいものより値段とにらめっこしながら、いかに安くお腹を満たすかを考える毎日です。 月1回の物資支援には本当に助けられています。また、月に一度、知り合いが作った野菜を少し分けてもらえることも支えになっています。離婚して10年以上経ちますが、物資支援の存在を知ったのはここ数か月で、もっと早く知っていればどれほど助かったかと思います。 食料品だけでなく、日用品や衣類も高く、服は何年も買えていません。子どもにも同じ服ばかり着させていて、自分の靴もボロボロで、底が抜けそうな状態です。美容院もカットモデルを探して無料で対応してもらうしかありません。ガス料金も高いため、夏以外は2〜3日に1回しか使わないようにしています。 このような生活が続く中で、母子手当をもう少し増額してほしいと強く感じています。物価だけが上がり、給料は上がらない現状では、本当に苦しいです。

児童扶養手当を受給している人に伺います。


出典:「ひとり親家庭等の支援について」 (こども家庭庁)

(分からない2.4% その他4.9%)

マネープランについて


自治体・国に要望がありましたら書いてください

不登校によって親が離職・休職せずに済む支援制度をつくってほしい

家事代行サービス利用への助成があると助かる

夏休みや冬休みなど、長期休暇中に利用できる子どもの居場所・預け先を拡充してほしい

転職や減収、借金など生活悪化の実情を支援判断に反映してほしい

専門学校やサポート校も含め、教育費・通学費への支援対象を広げてもらいたい

子どもが就職・自立するまで、手当の支給期間を延長してほしい

DVでなくても、親族に連絡せずに支援申請できる仕組みが必要

児童扶養手当の所得制限は引き上げ、減額・打ち切りを緩和してもらいたい

医療費無償化は18歳で打ち切らず、就労まで延長してほしい

精神的DVへの理解を深め、支援や判断に反映させて

養育費は確実に回収できるよう、強制力のある制度に

離婚・別居時に受けられる支援を、市役所が必ず説明・案内して

家賃補助など、住居費への直接的な支援制度を設けてほしい

物価高や光熱費高騰に対し、実情に合った生活支援が必要

食料支援や備蓄米配布をすすめてほしい

地域差なく、全国どこでも平等に支援を受けられる仕組みに

ひとり親への就業差別をなくして

働くほど手当が減る仕組みを改め、働く意欲を削がない制度に

急な出費に対応できるよう、手当の前借りや迅速支給の検討を

学校費用を事前に明示し、入学前に使える支援金制度を整えて

奨学金は保証人なしでも利用できる制度に

習い事や部活動への補助を行い、子どもの機会格差をなくしたい

市役所・社協・NPOなどが連携し、支援情報を一元化してもらえないか


識者コメント

ひとり親家庭の家計の不安を軽減するためには

清水香(FP&社会福祉士)

ひとり親になる、あるいはその可能性が生じたときには、誰しも大きな混乱を抱えます。親権、養育費、財産分与など法律が絡む取り決めが多く、これからのくらし・住まい・仕事と、向き合うべき課題は多岐にわたります。ひとりで抱え込むには負担が大きすぎます。

大切なのは、行政・支援団体・専門家など複数の相談窓口と早めにつながること。早期に相談できれば、準備に時間をかけられ、選択肢も広がります。制度や支援、これからの生活について「正しい情報」を得ることが何より重要です。
なお、児童扶養手当などひとり親の支援制度は、原則としてひとり親になってからが対象で、かつ現況ではなく前年所得等をもとに支援の可否が決定されます。生活保護と異なり、困りごとが起きたとき直ちに支援を受けられるのではないため、それを踏まえて準備をする必要があります。

ひとり親になると、自身が生計維持者となります。こどもと安心して暮らし続けるために、安定した収入を得ることは大前提です。新たに住まいを確保する場合でも、就労していなければ賃貸契約は難しくなります。新たに仕事を始める際には、自治体や支援団体の就労支援窓口に相談したり、就労支援プログラムを活用したりすることも重要です。

収入が一定額に満たないひとり親には、母子・父子の区別なく収入に応じた児童扶養手当が支給され、世帯収入を下支えします。たとえばこども1人の場合、親の就労収入が190万円なら月約4万7千円の満額が支給され、収入が384万円になると一部支給の約1万1千円になります(2025年度の金額)。

ここで知っておきたいのは、就労収入が増えて手当が減っても、世帯の総収入は増えていくという点です。前述の例では、満額支給時の世帯収入は年246万円、一部支給時は年398万円となります。ひとり親には「働き損」や「年収の壁」は存在しません。

児童扶養手当が止まらないように働く方が得と耳にすることがありますが、これはひとり親の就労意欲を削ぐ危険な誤解です。児童扶養手当はこどもが18歳の年度末で終了する一方、教育費のピークは大学入学前後以降に訪れます。

さらに、子育て後の人生はより長くなっており、最多死亡年齢は男性88歳、女性92歳へと伸びています。厚生年金に加入できる働き方で将来の保障を確保し、長く働ける基盤を整えることが、長期的な安心につながります。

なお、こどもの不登校や障害により就労が難しくなる場合もあります。こうした困難に対しては、行政や勤務先によるより手厚い支援が求められます。

ひとり親にとって最大の負担のひとつが「教育費」で、ピークは高校入学前後と大学入学前後の2回。文科省の調査では、公立中3年生の学校教育費と通塾費の合計は年間約60万円、大学初年度の納入金は平均で約150万円にのぼります。家計だけで賄うのは難しいため、18歳頃を目安に計画的に貯蓄しておくことが重要です。

一方で、支援制度も拡充してきています。高校では所得制限なく授業料が減免される「就学支援金」が、大学などの高等教育では日本学生支援機構の「修学支援新制度」による返済不要の給付奨学金と授業料・入学金の減免があります。住民税非課税世帯等に加え、子3人以上の多子世帯は所得制限なく授業料が減免され、理工農系学部では中間所得層も支援対象になります。大学や財団、自治体による給付型奨学金もあり、早めの情報収集が鍵となります。他方で貸与奨学金は、返済の必要があります。

なお、給付奨学金・貸与奨学金はいずれも入学後に振り込まれるため、入学前の納入金には使えません。準備が間に合わない場合は「国の教育ローン」や、ひとり親向け・低所得世帯向けに社会福祉協議会等が行う貸付制度などもあります。審査に時間がかかるため、早めの相談が必要です。
義務教育では授業料や教科書費はかかりませんが、部活動費や学用品など「隠れ教育費」の負担が指摘されています。就学援助や学習支援などの支援制度について、さらなる周知が望まれます。

ひとり親家庭の家計の困難とは

赤石千衣子(NPO法人ひとり親家庭サポート団体全国協議会理事長)

90人以上のひとり親家庭が声を寄せてくれていました。

ひとり親家庭の困りごとの1位は家計であるが、どんなときに特に困るのでしょう。それがわかる体験談でした。場合に分けて考えてみました。 

親族に借金したりという人も多かったが、親族がいない場合はどうしたらいいのでしょう。キャッシングなどでしのいだという声もありました。借金をする前に、生活保護受給がもっと受けやすくなるとよいと思います。

DVの場合居所がわかるので実家に帰れなかったなどさらに大変な思いをしている人が多かったです。

児童扶養手当を頼りに生活しているひとり親家庭は多いが、その支給が2か月に1度であることは家計管理にとても負担です。この困りごと体験の中でも支給がない月に収入が少ないと家計が火の車になるという声がありました。毎月の支給になるように改善が望まれます。

こどもの教育費はひとり親家庭にとっては大きな支出です。小学校、中学校はそれでも入学前準備金などが就学援助から給付されるようになってきました。たぶん高校入学時の家計がもっとも厳しいのではないでしょうか。最近は高校入学時にタブレットの購入なども義務となっており、入学準備にかかる額が高額化しています。高校生奨学給付金制度などはあとからの給付となる。高校入学時に借金をして返済ができなくなり、大学進学を考える余裕がなくなっていくのです。

自分が乳がんになったなど病気になってたいへんな思いをしたという体験もありました。医療費はかなり助成があるが、こどものケアも含めて大変厳しい生活になります。「離婚したばかりで当時こどもは2歳でした。私が死んだら 父親も母親も居ない子にしてしまうと必死に治療しつつ、 働いてきました」という声もありました。交通事故でクレジットカードのリボ払いにして凌いだという人もいます。

こどもの障害があると通院や療育、学校とのやりとりなどに時間がかかり、思うようには働けない状況になります。「時間に融通の利く仕事がなかなかない」という声があった。また不登校になっても大変です。役所にいた先生に「離婚したことを子どもに申し訳なく思え」と言われたなど、時間、家計、精神的なゆとりのないひとり親に心無い言葉をかけられています。不登校になったらこどもの年齢が小さいと親は仕事に行けなくなるケースもあり、少しのダメージで家計困難になることがわかります。

そもそも時間も足りないひとり親家庭は子育てと仕事を両立するのもギリギリ。でも収入も満足にないので、サービスを利用することもできないということがわかります。

男性だから収入が高い人ばかりではなく、高齢で子育てしながらだと男性でも収入が低くなり、しんどいという声もありました。

物価高騰の悩みはとても大きい。かさましするなど体験は切実です。

ひとり親家庭の家計の困難はすぐに解決できるものは少ないように思います。そもそもギリギリのところになにかひとつ困りごとが起こると脆弱な生活がくずれてしまうのです。また精神的にもギリギリになっていますので、相談対応によって、さらに援助を受けられるかどうかに影響してしまいます。

できればこうした困りごとを見越した家計支援が行われるといいですね。

児童扶養手当の毎月の給付にすることや、所得制限の引き上げなどは求められています。また、高校生の入学奨学金は増額して、入学時に支給すること、そして、最後のセーフティネットである生活保護制度をもう少し受給しやすい制度にするなども実現していきたいと思います。